人はなぜ高級ロレックスを欲しがるのか?~先生はえらい

2015.11.22 Sun

頭が良くなる国語塾  コクリエ国語教室 名古屋駅前校 主宰の 黒川葉子です。

「先生はえらい」内田樹(たつる)ちくまプリマー新書

大学教授の内田先生が、中高生向けに書き下ろしで書いた新書です。
内田樹氏の文章は、大学受験時に良く出題される著者の中では、わりとわかりやすく良い文が多い方です。
この本、オススメ!
全体的に、物事の見方、切り口が面白い。人と違う切り口で物をみる頭のいい人が、若い人向けにわかりやすく書いたものは、面白い‼︎ですね。
交易というテーマのところが、特に興味深かった。
昔~むかし、沈黙交易といって、部族がまだバラバラに暮らし言葉も統一されていない頃、ある部族が自分たちの特産品を部族同士の境界線に置いた。隣の部族は、それを持ち帰り自分たちの特産品を置いた。
これが交換、交易の始まりだと。
ここでのポイントは、「物の使い方や価値がわからないこと」言葉も通じないし、人同士はあっていないので、何に使うものか、さっぱりわからない。
わからないから価値を感じないわからないからこそ、交換に夢中になる。というのだ。
ロレックスの300万円の時計は何故300万円するのかわからず、割きれなさを感じ、故に魔術性を持つので、人は買いたくなってしまうという。
誰かと何かを交換することそのものが快楽であり、人はその快楽に夢中になる。
使用価値のない(役に立たない)ものは、別のものと替えるしかない。使用価値のない代表的なものが、お金だという。紙幣は、それそのものとしては何の使用価値もない。鼻もかめない紙だというのだ。
お金やロレックスのようなものは、割り切れない、使用価値がない(役に立たない)からこそ、みんなが求める、、、
このくだりそのものに、何だか割きれなさを感じるが、それ故に、興味が残り、先へ先へと読み進めてしまう。
頭のいい人が、わかりやすく書いた文章は、本当に面白い。
よかったら、皆さんも読んで見て下さい。
みなさんが読んでどう感じたかも教えてください
中高生のお子さんにもオススメです。
コクリエ国語教室
お問い合わせ:080-4525-0709 黒川

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| 2015.11.22 14:00 | おすすめの本 |

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