頭の悪い子はいない!!

2016.05.07 Sat

私が塾を始めたきっかけ、教育にたずさわるいきさつを少しお話しますね

2003年いまから13年ほど前に、私は公立中学で1年間特別非常勤講師として勤めました。そこは、愛知県の郊外の1学年6クラスくらいの規模の中学校でした。

私の仕事は、主に中学2年生の各クラスの数学・英語・理科の授業で、TTという、正規の先生の補助として、授業を理解しにくい生徒たちのサポートをしていました。6クラスあるので、すべてのクラスの授業に入れるわけではなく、飛び飛びで入れる時とは入れないときがある、という感じでした。

 

数学の授業のサポートの時にあることに気づいたのです。

普段、休憩時間(名古屋弁で、放課)の時は、とっても元気に走り回っている男の子が、授業中は、小っちゃくなって、気配を消したように、座っています。

近づいてノートや教科書をみても、ほとんど何も書いていない。

黒板すら見ず、下を向いて背を丸めて、休憩時間の彼とは別人でした

「どこかわからない?」と声をかけると、何も言わない・・・・

どこがわからないかもわからないくらい、授業に参加できない、そこにいないかのようでした。

そんな彼の後ろ姿は、こう言っている気がしました

「どうせ、僕なんか・・・頭が悪いんだから・・・」

あるとき、ちょうど数学の新しい単元に入った時に彼のクラスに入りました。

単元の最初は比較的簡単なので、彼の近くにいて、授業の進度にあわせて、ひとつひとつ説明していきました。

彼のペースで、彼が納得いくよう、言葉を選び、言葉の意味を噛み砕いて説明しました。

すると、彼は、しっかり理解したようで、練習問題も自分の力で解きました。

「きちんと説明すれば、理解できるんだ」

いつもと違い黒板に顔を向け、みんなと同じように授業に参加している姿を見ながら、そう思いました。

 

ところが、次にそのクラスに入った時、たぶん2時間ぶりくらいでしたが、彼は、もうすっかり前の彼に戻っていたのです。

背を丸め、小さくなって、授業に参加できていません。

またもやこんな心の声が聞こえた気がしました

「やっぱり、ぼくなんか・・・頭が悪いからしかたがない」

近づいて、声をかけても、もう受け入れてくれませんでした。

 

毎授業、毎授業、毎日毎日彼はこんな風に時間を過ごしているのか?と思ったら、やるせない気持ちになりました。

ただ、その時の私は力不足で、それ以上何もすることはできませんでした。

 

その後、塾に勤務し、国語を教えていく中で

「勉強する前に、国語力。日本語を理解する能力を身につければ、

他の教科も理解できる」と発見しました。

全ての教科の教科書や問題集は、日本語で書かれ、教師は日本語で説明しています。

驚くことに、生徒たちは、国語力をつけると、算数(数学)社会など、他の教科が、わかるようになった、と報告をしてくれるようになったのです。

ある子はこう言ってくれました

「私、頭がよくなったみたい」

国語力をつけること、「学び方」を身につけることで、

生徒たちはやっと自分の本来ある能力を発揮し始めるのです。

 

実は、勉強が出来るようになる鍵は、日本語理解=国語力にあったのです。

先ほどの男の子は、

彼のペースで、彼が納得いくよう、言葉を選び、言葉の意味を噛み砕いて説明したことで、「日本語を理解」し、数学を理解したのです

この問題点は、噛み砕いて言葉を説明してくれる人がそばにいなくては、いけないこと。

自分でこれが出来たら・・・・いいですよね?

実は、コクリエ国語教室では、単純に国語を教えるというよりは、国語教材を使って、文章を理解する力=読解力を学びます。

そうすると、自分でわかりにくい文章でも噛み砕いて理解することが出来る様になります。

 

「頭の悪い子はいない」

あの時の彼に伝えたいと思います。

学び方をきちんとおしえてあげられなくて、ゴメンネと・・・・・

| 2016.05.07 13:42 | コクリエで学ぶこと, コクリエ国語教室について |

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