【第6回】「なぜ子どもは国語が苦手なのか?」──大人との“認識の差”に気づく

「国語は、読んで答えるだけなんだから、簡単でしょ?」

そう思っている大人は少なくないかもしれません。 でも、子どもたちは口をそろえてこう言います。

「国語が一番わからない……」 「どう読めばいいのかが、そもそもわからない……」

今回は、子どもが国語を苦手に感じる“本当の理由”について、 大人との“認識のズレ”に焦点をあてながら考えてみましょう。

◆「読めばわかる」の“読める”が、すでにズレている

大人が「読めばわかるでしょ」と言うときの“読む”には、

 ・要点を拾う
 ・論理の流れをつかむ
 ・問いとの関係性を考える
といった、いわば“高度な読解”が無意識に含まれています。

 でも、子どもたちはこの「読む」のレベルが、 もっと素朴で、初歩的な段階にいることが多いのです。

たとえば、
 ・文章を最後まで読む集中力が続かない
 ・漢字の意味がわからないまま読んでいる
 ・一文ごとのつながりが理解できていない

そんな状態で「読んで答えて」と言われても、 何をどうしていいのかわからなくて当然です。

◆“できる人”は、“できない状態”が想像できない

これはすべての教科に言えることですが、 特に国語は「できる人にとっては、なぜできないのかが見えにくい」教科です。

なぜなら、国語には公式がないから。 「こうすれば正解が出る」という型がはっきりしていないため、 「なぜその答えになったのか」も曖昧になりがちです。

そのため、教える側が「どうしてこの子はここでつまずくのか?」 を正しく捉えられないまま、 「もっとしっかり読みなさい」「ちゃんと考えて」 と指導してしまうことがあります。

けれど、それは本人にとっては、 「何をどうすればいいのかが、そもそもわからない」状態なのです。

◆「読む力」は“自動的”には育たない

「毎日学校で国語の授業を受けているのだから、自然とできるようになるだろう」 というのも、大きな誤解です。

読解力は、“読んでいれば勝手に伸びる”ものではありません。

 ・読み方のコツを知っている
 ・問いとのつながりを意識して読める
 ・自分なりに文章を解釈できる

といった「読みの技術」と「意識づけ」が育ってこそ、 「国語がわかる」「読むのが楽しい」につながっていきます。

◆まずは、大人が「ズレ」に気づくことから

子どもたちにとっての「国語の苦手」は、 能力の問題ではなく、このような基礎的なことを“教えられていない”ことによるものです。

まずは、私たち大人がその「認識の差」に気づくこと。 そして、「何を、どの順番で、どう教えるか」に目を向けていくことが、 子どもたちの“わかった!”を増やす第一歩になります。

次回は、読解が苦手な子の感覚を、大人が体感できる例を通じてご紹介します。

| 2025年10月30日 | コクリエ国語メソッドとは, 子どもの国語力を伸ばすために必要な視点 |