「わかる」の不思議~頭の悪い子はいない!!
「わかる」って、不思議なことだと思いませんか?
たとえば、おなじように学校の授業を聞いて「わかる子」と「わからない子」がいます。
それは、頭がいいかどうかによる、と簡単に考えがちですが、本当にそうでしょうか?
そもそも、その場合の「あたまがいい」ってどういう意味でしょうか?
こんな、一見どうでもいいように見える疑問から、コクリエメソッドは始まっています。
「わからない」「頭が悪い」の一言でそれ以上考えないようにしているけど、ほんと??
などと考えて、これは言葉「国語」の範疇だと考えて「コクリエ国語教室」を始めました。
そんな中、こんな本に出会いました。
実は、この本の一部が、中学受験の過去問にあり、「面白そう」と思っていました。
(というのを読み始めて思い出したのですが)
この本の表紙にはこうあります
われわれは、どんなときに「ああ、わかった」「わけがわからない」「腑に落ちた」などと感じるのだろうか。
(中略)脳の高次機能障害の臨床医である著者が、自身の経験を総動員してヒトの認識のメカニズムをきわめて平明に解き明かす
さすが頭のいい人の書く本なので、なるほど!!の連続でした。
ただし、あまりこのような分野に興味のない方には、読みにくいかもしれません。
この中から、「わかる」を定義した部分を簡単に抜粋してご紹介しますね。簡単にしたつもりですが、
もともと抽象的なものを扱うので、いまいち意味がつかみにくいかもしれません。
心の働きには、感情と思考があり、感情はなんとなく、で理由がありません。
思考は、事実ではなくその人の主観的事実であるいくつかの「心像」同士を組み合わせて
関係を作り上げる事。
その心像は、五感を通じたその人の経験によりつくられ、新しく入ってきた心像と、
自分の中に蓄えられている心像とを照らし合わせて、判断し、思考している。
蓄えられた心像に名前をつける事で、それが整理され意味を持ち、安定する。
わかるというのは、新しく入ってきた情報が、蓄えられた心像とマッチして、整理されるということ。
「わかる」というのは、言語体験であり、言葉の正確な意味理解である、としている。
これでも、噛み砕いているのですが、かなり抽象的で分かりにくいので、
ポイントの部分を少し具体的にしてみますね。
たとえば、道で見たことのない珍しい物体(イヌ)に出会ったとしましょう。
新しく入ってきた心像とは、その物体(イヌ)のイメージデータ、姿形や様子、鳴き声などです。
私たちの頭の中には、新しく出会ったその物体のイメージデータとよく似た
過去の心像データを照し合わせて、それに良く似ていたものにつけられた名前「犬」を思い出します。
細かい部分では、犬種ごとに違い、その犬は初めて見た犬種かもしれませんが
その物体は「犬」であると判断され、心像は整理され、今であったその物体が「犬だとわかった」わけです。
私たちは、毎瞬毎瞬このようなデータ処理を行っています。
ところが、もし、犬を見たことがなく、または、犬を見ていても、犬種ごとに違う
その犬が実は同じイヌという仲間であると心像データとして蓄えていなかったら?
その人は、整理されない新しい心像をひとつ増やすだけです。
最初に戻って、同じ授業を聞いて、わかる子とわからないこがいる件に話を戻しますと、
わかる子は、その授業で語られた情報と類似の心像をあらかじめ持っていて、情報を整理でき、
わからなかった子は、類似の情報を持っていなかったという事です。
それは、予習をしたという意味ではなく、学校の授業の場合、情報が積み重なるよう設計されているはずなので、今までの授業を覚えていなかった、又は忘れてしまったために、類似の情報、蓄積された心像がその子の中になかった、思い出せなかったという事です。
個別授業が必要な理由はここにあります。
その子によって、抜け落ちている情報や事情が違います。
抜け落ちている情報を見つけて、そこからやり直すことが大事なのです。
いい先生は、このことを経験的に知って、補ってくれるのです。
頭の悪い子はいない、教わったのに抜け落ちている部分、または何か事情があるだけ。
そこを補い、自信を持って学べることが重要だと感じています。
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| 2016.06.09 15:13 | おすすめの本, コクリエで学ぶこと, コクリエ国語教室について, 中学受験, 大学受験, 考える力をつけるには? |