文章が読めないのは語彙が足りないのかも

2022.12.09 Fri

「うちの子読解力がないのです!」
多くの保護者の方が、そういってお問い合わせをくださいます。

「読解力」って何?
という問いに対して、一概に「コレ」と答えるのは難しいのです。
色んな原因があって、その結果として「読解力がない」と言われる現象があらわれます。

今回はその中で、「語彙力がない場合」についてお話しますね。

この前、授業をしていた時のこと。
別の塾で解いてきた問題のやり直しをしていました。
「○○さんはあきれて言いました」なぜあきれたのですか?
という問いに、選択肢で答える問題です。

「『あきれる』ってどういうこと?意味わかる?」
と聞いてみると、『飽きる』と勘違いしていました。

この問題自体が、その言葉を知っているかどうかを試すものだったと考えますが、
子どもたちは、知らない言葉が出てきたときに
「知らない言葉だ」と認識せず、自分の知っている言葉に変換して読むことがあります。

というより、国語が得意でない子の場合、多くのケースで
知らない言葉を、知っている言葉に変換しているといっていいでしょう。

「知らない」と言えるのは、正確に語彙をとらえている子です。
わからない子ほど、無意識に「知っている言葉」に変換して、わかったふりをしてしまうのです。

では、どうしたらいいか?

お勧めは、問題を解く前に、「知らない言葉を探す」ことです。
知らない言葉に、子どもに印をつけさせて、まず辞書で調べる。
ノートに書き記して残します。
辞書の説明は子どもには納得しにくいので、
その言葉の使い方の例を挙げるなどして、
理解を深めると、なおいいでしょう。
こうして、「知らない言葉」に気づく習慣をつけるのです。
少し手間はかかりますが、知っている言葉を増やすのはたのしいという
イメージがつくといいですね。

国語の問題に出てくる言葉は、日常生活ではなかなか出会わない言葉であることが多いのです。
大人にしてみたら、そんなに難しくない言葉でも、子どもは初めて出会う言葉であることも多いのです。

「読解力がない」と一言で済ませずに、
原因を探ってみるといいと思います。

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文章が理解できないのは読解力不足だけではない~ごんぎつねの読解~

2022.11.10 Thu

少し前に話題になった、「子どもたちが、「ごんぎつね」を読めない問題」覚えていますか?

それは、小学校の国語の授業の話。ごんぎつねを題材にして授業が行われていた。

ごんぎつねが、兵十の家にあった魚やうなぎを逃してしまった数日後、
ごんぎつねが兵十の家を訪ねると、葬式の準備をしていた。
近所の人が集まり、家の外で火をたいて、鍋がぐつぐつしていた。 
というシーンで、

先生が生徒をグループにして、話し合わせた。「この鍋で何を煮ているでしょうか」

子どもたちは、真剣に考えて、答えを出した。
半分以上のグループの子たちは
「亡くなった兵十のお母さんを煮ていた」
と答えた。

それを見た先生たちは、嘆いた。
「人の気持ちがわからない」「想像力、読解力の欠如だ」と。

ネット上でかなり話題になった。
それは、読解力や感受性の問題ではないだろう、と。

普段から多くの子供たちに国語を教える立場からも、
これは、読解力のもんだいではなく、
子どもたちの問題でもなく
指導者の想像力の欠如、指導方法の間違いだと思う。

こちらの本の冒頭部にそのエピソードがある。

試しに、コクリエに通う中学生3人に同じ質問をしてみた。
中三生2人中二生1人だ。
この内、中三生の一人は、難関私立中学で、学年1位から3位に間には常に入っている子だ。
3人ともよく本を読んでいる。本の虫と言ってもいいくらいに本を読んでいる子もいる。

中二生「何かを消毒するために湯を沸かしている」
中三生「お母さんの死体を煮ている」
中三生「・・・・何か食べ物を煮ている???理由はわからないけど」

そう、中学生でも、本の虫でも、
みんな、先生が期待している答えには行きつかないのだ。

なぜ???

3人とも、この時代の葬式について、何一つ知らないから。

現代の葬式は、葬儀会館で行い
葬儀社のスタッフが取り仕切り、近所の人はせいぜい弔問に来るだけ。
通夜葬儀では、親しい親戚だけに取り寄せた食事をふるまう。

ごんぎつねの時代の葬式は
家でとり行い。
近所の人が手分けして取り仕切り
近所の人が作った煮物を出席者にふるまう。

近所の人が集まって煮物をするなどという習慣は、
現代の日本にはない。

近所の人が葬式の日に何かを煮ていたら
それが、葬式に来た人にふるまう食事野ための煮物だなんて、想像すらできない。

子どもたちがこれを想像できないのは、いけないことだろうか??

私は、比較的田舎で育ったので、リアルに近所の人が集まって祖母の葬式をとり行ってもらった経験がある。
しかし、私と同世代でも、このような葬儀の経験のある人は少ないのではないか? 

この話を、国語指導者養成講座の卒業生たちと話したとき、
多くの人は経験はなかったが、
テレビアニメの「日本昔ばなし」などで、こういうシーンを見たことがある、
と話してくれた。

小学校の先生の授業の進め方に疑問がある。
ここは、想像したり考えたりする部分ではなく
昔の日本の風習として、情報をあたえる必要があると思う。

この授業のしかたを、外国人向けにするだろうか?
この風習を知らないかもしれない外国の人に、
昔の日本の生活様式として、「葬式のときは・・・」と教えるのではないか?

日本は、戦後、昔の生活習慣や、住まいや、考え方などの多くを捨てて
西洋式の新しい日本として生まれ変わっている。

日本の古い文学や随筆など、その多くの背景は、現代の子どもたちには未知なのだ。

国語指導者には、
そう思って、その前提で、
子どもの立場になって考えてほしい。

自分には当たり前のことが、もはや子供には当たり前ではないのだ。

知らないことは、情報として与えて
そのうえで、想像力を働かせるよう、働きかけるのが当然の指導法だと考える。

そうでないと、国語嫌いを量産することにつながってしまうと考える。

#ごんぎつね
#読解力
#子どものせいでなく指導者の力不足
#国語嫌いをつくらない

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2023愛知県の高校入試改革は国語力が勝負!

2022.11.10 Thu

今の中3が受験する、2023年の愛知県の公立高校入試は、大きく変わります。

主な変更は
1.受験機会が2回から1回に変更
2.受験時期が2月中旬に変更(1か月早くなる)
3.解答方法がすべてマークシートに変わる

今回お話したいのは3番について
解答方式がすべて選択式になる、というものです。

一見、受験生にとって、楽な変更だと感じます。
特に、国語の記述問題がなくなるので、国語嫌いの子は一瞬喜びます。
実は、そうではなく、国語が得意でない子にとって、選択式の解答は、楽だとは言えないのです。

なぜなら、高校入試の目的は、合格者と合格しない人を分けること。
そうなると、差をつけるために問題や選択肢は、選びにくいものとなるでしょう。
一足早くマークシート式に変更した神奈川県の問題は、確実に難化したといいます。

その為には、度の教科でも、選択肢は、間違いやすいもの、
パッと読んだだけでは、どれが正解かわからないものになる、ということです。
つまり、選択肢が、長文化し、注意深く読まないと
どれが正解かわからないものになることが想像できます。

国語が得意でない子は、文章を読むことが嫌いです

文字が大量に書かれているだけで、戦意喪失です。
文字の多い文章を読むことを放棄して、
「適当に」選択してしまうことは容易に想像できます。

これが、国語だけではなく、すべての教科においてテスト紙面が文字で埋め尽くされるのです。

実は、この傾向はすでに大学入試「共通テスト」をはじめとして、
多くの入試で、数学などの国語以外の教科のテスト問題が文字で埋め尽くされ
国語が得意でない学生が戸惑っているという現実が報告されています。

数学の問題なのに、読みにくい文章を乗り越えないと先に進めないのです。

「理系だから、国語はいいかな」
「まずは、英語と数学、国語はわざわざ学ばなくても・・・」
という時代は終わったのです。

まずは国語力
まずは、「読解力」
文章の意味を自分で理解することが第一歩なのです。

なぜ?

社会が変わり、求められる能力が大きく変化したからです。

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夏季講習募集中です

2022.07.16 Sat

まもなく夏休みが始まりますね。

夏休みは授業がないので、じっくり必要な学力をつける事ができます。

国語って、「いつかキチンと学ばないと」と思いながら、
つい後回しになりがちな教科です。

いったい、何がどうなれば国語の点数が伸びるのか?
国語とはどういう教科なのか?
どうやって家庭学習をすればいいのか?

なぞ多き科目です。

国語はどう学べばいいのか??

カンタンです!

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そこで、夏季講習で国語のプロから
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夏季講習は若干名の受付になります。
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たった2ヶ月で模試の点数が倍に!

2021.09.02 Thu

怒涛の夏期講習が終わり、学校も始まり、いよいよ本格的な受験体制に入ってきましたね。

毎年9月10月に、新たに6年生数人が入ってきます。

なぜかというと、志望校に特化した模試を受けて、今まで思っていたよりも点数が悪く、驚いて国語の対策が必要だと気づかれる方が多いのです。

国語は、学校によって特徴があります。

今までは、他の志望校の子も含めての一般的なテストだったのに対して、志望する難関中学に特化した模試を受けて、その難しさに驚かれるのです。

今までは、なんとかなると思っていた、、でも、実際は、、、

数年前、9月末に入ってきた6年生がそうでした。

名古屋の最難関の男子校の模試を受けたら、なんと、35点、、、

驚いて、検索をして体験授業にいらっしゃいました。

二回目の模試が11月にあったので、それで挽回したいと、のお申出でした。

2ヶ月弱通っていただいて、二回目のテストでは倍の70点を取り、自信を取り戻しました。

「本文をしっかり読む」

「問の質問にきちんと答える」

このトレーニングをしっかりしただけで、テストの点が短期間に倍に、、

国語は、このように短期間でも十分に伸びます。

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