国語ができない子たちに起こっていること(PISA調査に思う)

2020.01.03 Fri

読解力がない、PISAの読解力が15位なったと騒がれています。

中学生のほとんどが塾に行き、私が子どものころに比べて、勉強にかける時間が多い子がほとんどではないでしょうか?
中学生の教科書を見ると、それほど難しくなっているとは思えないのですが・・・

このような記事がありました。
かなり重要でショッキングなことが書かれていますので、読んでみてください。

ノートを取れない子供たち


ノートを取れない子供たち
https://www.businessinsider.jp/post-204493?fbclid=IwAR2ki8H3iCFxwsogqaSNJtztwS2rauMurMABHysRvJpWMzW7x55wIuHf8_w

引用
① 実は、今の子どもの多くが、中学生になってもノートが取れません。ノートの取り方自体がわからない。成績下位の生徒だけでなく、中の上の生徒でもそうなんです。板書を写させると、写すことに「認知負荷」がかかりすぎるので、先生の話が聞けなくなります。板書に認知負荷が全て持っていかれてしまい、先生の話が聞けない状態なのです。本来ならば小学校3、4年生くらいまでに、先生の話を聞きながらノートが取れるようになってほしいのですが、それが難しい状況になっています。

②今の子どもたちは手先が不器用なんです。手先を細かくコントロールしなければならないタスクが家庭内で減っています。そのまま小学校に入学してくると、雑巾を絞れない、トイレでお尻を上手に拭けない。その状態では字をマスの中に書けない、定規で線を引こうとしても定規が斜めになってしまって上手く線を引けない。だから「ノートに定規で線を引いて」と指示すると、全員が書き終わるまでに何分もかかってしまう。

③私たち世代(40代以上)は主に家庭の会話とテレビとラジオから語彙を獲得してきました。 (中略)常識による推論、という共通認識を持つことがとても難しい時代になっています。

④核家族では、会話をする大人も限られる。新聞もとっていない、カレンダーやアナログ時計もない家庭も多いです。小学校に入るまで数字も字も見たことがない、1週間が何日かを知らない、という子どもも増えています。キャッシュレスが進めばお釣りの計算もできなくなる。便利になることが、子どもたちの自然に学ぶ機会の損失になることを、私たちは考えてこなかったんですよね。

世の中は、私が子どものころに比べて、各段に便利になりました。
人が体や手や頭を使わなくても、出来ることがどんどん増えています。
それはとても好ましく、素晴らしいことです。
しかし、体や脳や手足を成長させている家庭の子供たちにとって、同じように体や脳や手足を使わずに便利に暮らすことは、本当にいいことなのでしょうか?

国語は、日本語力です。
だから、日常生活での頭の使い方が、国語に大きな影響を持ちます。
国語を指導していて、家での生活や会話や体験が国語の理解力とリンクすることを実感しています。

パソコンやスマホ、親切な学習ツールやドリル、タブレットでの楽しい学習
これらは、脳を育成している過程の子どもたちには、マイナスに働くのではないかと考えます。
ある程度脳の発育ができている子には、便利で効果的な学習になるとは思いますが・・・

上記記事の①は、親切すぎるドリルやわかりやすい塾の指導の弊害でもあると思います。脳を使うのは疲れるので、誰でも使わずに済めば使いたくありません。
板書を写すのが遅い子に合わせていたら授業が進まないから、プリントを配るようにすれば、面倒なノート写しはいらないですから・・・
教育産業ですらサービス業と化し、ファミレスのように過剰なサービスをすれば、学習ツールが脳の代わりに成長するだけです。

受動的な学習姿勢

子どもたちの指導をしていて、これが、学力低下の大きなカギだと思っています 。
誰かがサービスしてくれる(何とかしてくれる)
言われたことをこなせばいい
教えてもらってないからわからない
「わからないから、わかるようにしてよ」

そんな受け身な態度で学習しているようでは、伸びません。


これは、子どもたちのせいではないと思います。

ゲームにしろ、動画にしろ、世の中が「消費者」として、子どもたちにもサービスしすぎているので、勉強も当然サービスしてもらえるものだと、受動的態度になるのです。
自発的に物事に取り組んだり、与えられたものに疑問を抱き、調べたり考えたりする子がどれほどいるでしょう?


最初にPISAの読解力が15位と低下したと話しました。

日本人が特にできなかった問題は、
「文章を本当にそうかどうか疑いながら批判的に読む問題」だったそうです。

日本の学生は、基本的に疑うことを教えられていません。
教科書や印刷物に書いてあれば、「その通りだ」と受け入れる事しか教えられていません。
授業中に「この教科書の記述おかしくないですか」と言おうものなら、先生に何と言われるか・・・・

PISAの読解力の順位が悪いのは、日本の教育と、PISAのテスト内容が異なるからだと考えます。

批判的に考える力(ラテラルシンキング)は、重要なことなので、今後国語教育でもしっかり扱ってほしいと思います。

読解力不足は社会の問題


結局、何が言いたいかというと、
「読解力がない」のは、子どもの個人的な問題だけではないということです。

家庭や日常での会話や文字との接触が少ない
学校の国語のカリキュラム
本を読む以外に楽しいことがありすぎる
世の中が便利になりすぎている
等々・・・・

様々な要因により
頭を使わなくても便利に暮らせるから
文字を読むという大変なことを普段していないから

というのも、大きな要因だと思っています


コクリエ国語教室では、
国語教材を使って、脳をフルに使うことを毎回行います。
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それってなに?とご興味を持っていただけたら、お問い合わせください。
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PISA読解力はなぜ15位に低下したのか?

2019.12.20 Fri

読解力が足りない、か問題になっています。

PISA(国際学力調査)で読解力が世界15位となり、前回の8位から大きく順位を下げたからです。  新聞記事

早速その対策として、政府が予算を6億円その調査につけたことがニュースになっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191220-00000521-san-bus_all

このニュースで話題の「読解力」とは何でしょうか?新聞によると日本人が弱かった問題は、テキストから情報を探し出す問題やテキストの質と信ぴょう性を評価する問題、自由記述の問題で自分の考えを他社に伝わるように根拠を示して説明する問題だったのだそうです。

それであれば、当然の結果だと感じます。というのも、おそらく学校の国語の授業でこれらの項目は対象になっていないと考えられるからです。

教科書にある文章を、疑うことなく、自分で評価することなく、文章の解釈を指導要領通りに先生が説明し、その通りにテストで答えるのが、学校の国語の授業。ごく一部自分の意見を各授業もあるかもしれませんが、成績の評価にはあまり関係ないような・・・・

つまり、PISAの調査の国語(読解力)は、日本の学校教育の国語とは全く違う教科だといっていいと思います。  だから、出来なくて当たりまえかと。 テキストから情報を探し出す問題やテキストの質と信ぴょう性を評価する問題、自由記述の問題で自分の考えを他社に伝わるように根拠を示して説明する問題 の答え方は教えてないのですから、、、

PISAでいうところの読解力をつけるには? テキストから情報を探し出す問題やテキストの質と信ぴょう性を評価する問題、自由記述の問題で自分の考えを他社に伝わるように根拠を示して説明する問題 を日常的にニュースやインターネット上の情報を使って行う習慣をつける事かと・・・・そのような問題は今のところ入試に出るところが少ないので、対策をするところもないのが現状です。

ご希望があれば、コクリエ国語教室でこのような対策も行います。お問い合わせください。
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| 2019.12.20 18:55 | 2020年度新大学入試, コクリエ国語教室について, コクリエ流国語のお悩み&お困りのツボ, 社会問題と国語, 考える力をつけるには?, 読む力/読解力をつけたい, 読解力/リーディングスキルについて |

私立大学に受からない 受験対策が変わっている

2019.03.27 Wed

大学入試が変わってきていることをご存知ですか?

2020年の入試改革のことではなく、

ここ数年、私立大学に受かるはずの子が受からないというパニックが起きていることを、、、

 

そして、受験の仕方も大きく変わってきています

 

大学受験の準備は今までは高校に入ってから、高2辺りから本格的にしてきました。

ところが、これからは小学生の頃から大学入試を見すえて準備をする必要があります。

どういうことでしょう?

 

大学入試といえば、1月のセンター試験、1~2月の行われる私大入試を指すことが一般的です。

しかし、今は一般入試は受験者の約半分にすぎないってご存知ですか?

4日里以上の受験生は、夏から秋にかけて決まる様々な「推薦入試」

AO入試、指定校推薦、などさまざまな種類の推薦入試が主流になりつつあります。

少し前までは、推薦入試は入試の緊張やストレスを避け、少しレベルを下げて

早く決める入試方法というイメージがありました。

 

ところが、大学側からも、入学後の生石器の伸びなども推薦のほうがいいといわれ

今後国公立も含め推薦入試を増やす方針が出ています。

 

そうなると、今までの入試の常識が大きく変わります。

 

推薦入試で評価されるのは、テストの成績ではなく、その子の独自の体験や

考えを書いた「小論文」や「自己推薦書」

 

また、付属校からの進学も主流です

そうなると、高校受験または中学受験から見直さなければいけません。

 

つまり、「大学受験は小学生から始まる」のです

 

教育界・大学受験の大変化、なぜなのか?

どうかわるのか?

保護者の方の情報収集力が決め手になります。

 

ご希望があれば、お話回など開催します。

お問い合わせください

 

A判定でも落ちる 私大に受からない

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190324-00063635-gendaibiz-bus_all

 

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| 2019.03.27 19:25 | コクリエ国語教室からのお知らせ, 大学受験, 社会問題と国語 |

中学受験、教育改革の影響が、、

2019.01.30 Wed

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2020年の教育改革、もうヒタヒタと足音が、、

数年前から関東、関西では出題されていましたが、

名古屋地区の中学受験でも新傾向の問題が出始めています

生徒たちは、やった事ない事に戸惑う傾向があり、混乱しているようです

 

名古屋中学の社会

大問2つとも、会話形式の中で、広い分野から出題され、新聞などの資料を参照して答える問題です。

算数、国語も、会話形式の出題で、クイズ的な思考力を問う問題も。

 

教育改革の波は、やはり中学入試からやってきますね

 

| 2019.01.30 19:19 | 2020年度新大学入試, 中学受験, 入試と国語, 国語専門講師の視点, 社会問題と国語, 考える力をつけるには? |

リーディングスキルテストフォーラムに参加して

2018.11.25 Sun

「AI  vs教科書が読めない子どもたち」の新井紀子先生の研究授業と、

解説のフォーラムを受講して来ました。

新井先生のリーディングスキルテストに協力した、代々木ゼミナール

名古屋校にて、東京校からの同時中継で聞くことができました。

 

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一限目は、小学校4年生の子たち向けに、新井先生の授業を見せてもらいました。

 

テーマは「オセロを実況中継する」

オセロの盤面の様子を表現した文章から、実際のオセロを並べてみる

その逆に、実際並んでいるオセロのコマの様子を、言葉で表現する

この中で、興味深かったのは、言葉の定義をしっかりとすること。

子どもたちはわからないかも知れない前提で、〇〇とは、を先に定義しておきます。

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2部では、その解説を新井先生自身がされました。

また、また文科省初等中等教育局の白井氏から授業解説、

筑波大学の准教授等からリーディングスキルテスト(RST)

の解説等を聞きました。

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RST(リーディングスキルテスト)データの分析によると、

RSTの値が上昇するのは中学生時代、高校生ではあまり変わらない。

また、高校の偏差値とRST値には、正の相関関係が認められるとのことでした。

 

その後、RSTを導入している埼玉県正の取り組みなどもお聞きしました。

「読解力」の一部であるRSTテストですが、

新井先生が一番初めに言われていましたが、

文字から意味を読み取れない「機能的非識字」という状態が 、

世界中で問題になっているようです。

イタリアでは大人の3割が、FBに「いいね」は出来ても、新聞が読めない、、

読まなくても済んで行ってしまうけれど、気づいたら大変なことになってしまうのではないかと思います。

「勉強だけじゃない」このままでは、読む力の低下が招く様々な意味での社会の悪化が懸念されます

| 2018.11.25 16:16 | 2020年度新大学入試, 社会問題と国語, 読解力/リーディングスキルについて |

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