人生を変える国語の授業

2016.05.09 Mon

前回のブログでもお話したとおり、私は2003年に特別非常勤講師として、公立中学校に一年間勤務しました。

この時の体験は、本当に宝物のようで、私に様々な気づきを与えてくれ、ますます教育に傾倒していきました。

そんななかから、今日もひとつお話をさせていただきます。

 

職員室で、私の前の席に座っていらしたのは、割と個性的な美術の先生。

この先生は、特別支援学級の担任でもありました。

特別支援学級の生徒は、国語や数学などの教科は支援学級で受け、体育や音楽などは普通クラスと一緒に受けます。

そんなわけで、美術の先生でしたが、国語も教えていらっしゃいました。

 

あるとき、給食の時間に先生と話していたら、

「国語の教科書の詩を、短く短くする授業をしたら、生徒たちが大人の言うことがよくわかるようになった、家の手伝いやお使いができるようになった。」とおっしゃるのです。

興味を持った私は、詳しくその方法をお聞きしました。

詩の一行に20文字あったとしたら、それを10文字に・・・とすべての行の文字を半分にする

次は2行を1行にし、字数を半分にする

これを繰り返して、最後に詩を数文字で表わす

 

かなり興味深く、一度見学させてほしいと言いながら、その機会は得られませんでした。

しかし、この話は、私の脳裏に深く刻まれていました。

 

特別支援学級の生徒で、人の指示や話が理解しにくい子に、「半分、半分・・・」と意味は残して文字数を半減させる事で、「意味を理解する」ことが出来る!!

これは、彼らの人生を変える程のすごい学びだと・・・・

「人の言うことがわかる」ことで、彼らが得るものは大きいと思ったのだ

まさに、人生を変える国語の授業である

 

のちに、コクリエメソッドを作る中で、このエピソードは、大きな支えとなりました。

理解力は、能力ではなく、学べば誰でもできる技術である

私は、自分が教えてきた体験からもそう信じています

 

頭の悪い子はいない!!

ぜひ、理解する技術を手に入れてほしい、と思う次第です

 

| 2016.05.09 16:58 | コクリエで学ぶこと, コクリエ国語教室について |

頭の悪い子はいない!!

2016.05.07 Sat

私が塾を始めたきっかけ、教育にたずさわるいきさつを少しお話しますね

2003年いまから13年ほど前に、私は公立中学で1年間特別非常勤講師として勤めました。そこは、愛知県の郊外の1学年6クラスくらいの規模の中学校でした。

私の仕事は、主に中学2年生の各クラスの数学・英語・理科の授業で、TTという、正規の先生の補助として、授業を理解しにくい生徒たちのサポートをしていました。6クラスあるので、すべてのクラスの授業に入れるわけではなく、飛び飛びで入れる時とは入れないときがある、という感じでした。

 

数学の授業のサポートの時にあることに気づいたのです。

普段、休憩時間(名古屋弁で、放課)の時は、とっても元気に走り回っている男の子が、授業中は、小っちゃくなって、気配を消したように、座っています。

近づいてノートや教科書をみても、ほとんど何も書いていない。

黒板すら見ず、下を向いて背を丸めて、休憩時間の彼とは別人でした

「どこかわからない?」と声をかけると、何も言わない・・・・

どこがわからないかもわからないくらい、授業に参加できない、そこにいないかのようでした。

そんな彼の後ろ姿は、こう言っている気がしました

「どうせ、僕なんか・・・頭が悪いんだから・・・」

あるとき、ちょうど数学の新しい単元に入った時に彼のクラスに入りました。

単元の最初は比較的簡単なので、彼の近くにいて、授業の進度にあわせて、ひとつひとつ説明していきました。

彼のペースで、彼が納得いくよう、言葉を選び、言葉の意味を噛み砕いて説明しました。

すると、彼は、しっかり理解したようで、練習問題も自分の力で解きました。

「きちんと説明すれば、理解できるんだ」

いつもと違い黒板に顔を向け、みんなと同じように授業に参加している姿を見ながら、そう思いました。

 

ところが、次にそのクラスに入った時、たぶん2時間ぶりくらいでしたが、彼は、もうすっかり前の彼に戻っていたのです。

背を丸め、小さくなって、授業に参加できていません。

またもやこんな心の声が聞こえた気がしました

「やっぱり、ぼくなんか・・・頭が悪いからしかたがない」

近づいて、声をかけても、もう受け入れてくれませんでした。

 

毎授業、毎授業、毎日毎日彼はこんな風に時間を過ごしているのか?と思ったら、やるせない気持ちになりました。

ただ、その時の私は力不足で、それ以上何もすることはできませんでした。

 

その後、塾に勤務し、国語を教えていく中で

「勉強する前に、国語力。日本語を理解する能力を身につければ、

他の教科も理解できる」と発見しました。

全ての教科の教科書や問題集は、日本語で書かれ、教師は日本語で説明しています。

驚くことに、生徒たちは、国語力をつけると、算数(数学)社会など、他の教科が、わかるようになった、と報告をしてくれるようになったのです。

ある子はこう言ってくれました

「私、頭がよくなったみたい」

国語力をつけること、「学び方」を身につけることで、

生徒たちはやっと自分の本来ある能力を発揮し始めるのです。

 

実は、勉強が出来るようになる鍵は、日本語理解=国語力にあったのです。

先ほどの男の子は、

彼のペースで、彼が納得いくよう、言葉を選び、言葉の意味を噛み砕いて説明したことで、「日本語を理解」し、数学を理解したのです

この問題点は、噛み砕いて言葉を説明してくれる人がそばにいなくては、いけないこと。

自分でこれが出来たら・・・・いいですよね?

実は、コクリエ国語教室では、単純に国語を教えるというよりは、国語教材を使って、文章を理解する力=読解力を学びます。

そうすると、自分でわかりにくい文章でも噛み砕いて理解することが出来る様になります。

 

「頭の悪い子はいない」

あの時の彼に伝えたいと思います。

学び方をきちんとおしえてあげられなくて、ゴメンネと・・・・・

| 2016.05.07 13:42 | コクリエで学ぶこと, コクリエ国語教室について |

コクリエ国語教室ご近所散歩

2016.05.03 Tue

コクリエ国語教室は、名古屋駅から徒歩7分ほどの、笹島エリアにあります。

このあたりは、ビルや駐車場、飲食店など新しい建物が多い地域です

そんなエリアに、場違いな石碑をみつけました

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夏目漱石の「三四郎」に出てくる宿の跡地だそうです。

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今は、コインパーキングになってしまった宿屋跡。

それでも、この石碑が、歴史を伝えてくれていますね。

この石碑は、笹島から、コクリエ国語教室のあるオリファビルを通り越して(地図だと名古屋高速方面に)次の角の手前側にポツンとあります。

名古屋駅から徒歩で約8分程度でしょうか?

お時間があれば、お散歩たのしんでくださいい。

20160503062555

| 2016.05.03 18:33 | コクリエ国語教室について |

どうして考える力が必要なのでしょう?

2016.05.02 Mon

コクリエ国語教室では、小論文・意見文を書く授業があります。
考える力を養うことが目的です。

 

今の受験制度では、大学受験又は公立中高一貫などでは小論文のテストはありますが、ほとんどの学校ではこの授業をすることはありません。

高校生でも、必要な人だけが、個別に先生に教えてもらうか、予備校で学ぶ程度です。
しかし、現在進められている教育改革の中では「考える力」をつける事が最も重視されています。
「考える力」が最もよくわかるのが、小論文・意見文であり、今後大学入試は、小論文が増えていくであろうと考えられます。
まだ、大学入試なんて先の事・・・なんて、考えていらっしゃる父兄の皆様、お子様方・・・
「考える力」は一朝一夕につくものではなく、早い段階から習慣化することが重要であると考えます。

 

そもそも、何故大学入試制度が変わるのか?
何故「考える力」をつける必要があるのか?
それは、社会の変化、世界における日本のポジションの変化に関係します。
私たちが、学校で勉強した後は、就職または自分で仕事をします。
ある意味勉強のゴールは、社会で活躍する人材を作ることです。
社会が大きく変われば、必要とされる人材や能力も変わりますよね。

50年60年前、戦後間もない日本は、工業国、製造業中心の国として発展しました。
世界の工場として、安く品質のいいものを作り、その後はメーカーとして工場は国外に移りましたが、必要な人材は変わりませんでした。
必要だったのは、従順に言われた通りに工場で作業する人材。

管理職にしても、疑問を差し挟むことなく、会社の命令に従っていればある程度安泰で人生を終えられる。
ところが、今、どうでしょう?
シャープは、海外に身売りし、東芝、三菱自動車などが実は世界水準においつけず、ごまかして生き延びていたことが発覚しています。不正やごまかしに疑問を差し挟む社員は、いなかった、または残れなかったのでしょう。

 
今後、日本企業はどのように生き残るか?
企業が、新しく採用する人材に求めているものは「クリエイティブさ」や「プレゼン力」など、今までの学校では教えてこなかったものばかりです。
言われた通りに、余計なことを考えず受動的に学ぶ人材は必要とされず、自分で考え、上下の区別なく意見をはっきり言える人材を求めています。グローバルな社会に対応できる能力を持った人材が必要なのです。

この社会の求めに応じて、大学入試制度が変わります。(現在に中二からです)
「自分で考える」ことは、誰かが教えてくれて、短期に身につくものではありません。
長い時間をかけて考える習慣を身につけることにより、わざわざテスト前に入試対策をする必要は無くなリます。
というより、テスト前の付け焼刃の対策では、合格水準には達しません。

どんなことをするの?
難しく、特別な人しかできないのでは?
そんなことはありません。
簡単なことから「考える習慣作り」を日常にする方法をお伝えします。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

弊社ホームページ お問い合わせ
http://cocurie.jp/contact/index.html

| 2016.05.02 20:27 | 2020年度新大学入試, コクリエ国語教室について, 考える力をつけるには? |

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