記憶と感覚〜ゴッホとゴーギャン展
先日、愛知県美術館で3月20日まで開催されている「ゴッホとゴーギャン展」に行ってきました。
ゴッホとゴーギャンは同時代の画家で、交流があり、
ゴッホがパリから南仏のアルルに移住した後、
一時一緒にアルルに住んでいました。
ゴッホはゴーギャンの才能を評価し慕っており、
ゴッホが精神的な発作を起こし耳を切り落とした事件後に
ゴーギャンはパリに帰りました。
展示は時代ごとに両者の作品を展示しており、
アルルの時代のコーナーに差し掛かりアルルという文字を見た時
ふと、以前アルルを旅した時の感覚が蘇ってきました。
私が電車でアルルに着いた日は、とても暑い夏の日でした。
なぜだか、駅から宿まで歩いて行くことになり、
アルルの乾いた田舎道を、重い荷物を持って、てくてくとあるきました。
道端には、ラベンダーが群生しており、それを摘んで香りを嗅ぎながら、灼熱の道を歩き続けました。
アルルという地名を目にした時、一瞬にして、その時の暑さ、乾いた空気、ラベンダーの香りが蘇ってきたのです。
記憶というものは、こういうものだと思いました。
五感と共に、体験と共に記憶は成立するのが自然なのです。
そうやって培われた本物の記憶は、忘れるわけはありません。
だから、教科書や教材だけから頭だけで得た記憶、体感、経験を伴わない記憶は、
薄っぺらく再現性が低い。
それを続けること、強要される事は、苦痛でしかないでしょう。
経験や体感、感動を伴う記憶が、自然な記憶。
自然に沿った形で学習環境を作れないだろうか?
理科の実験や、体を動かし心を動かすワークと共に学ぶことが出来れば、
「記憶すること」は自然なのではないでしょうか?
学ぶことの楽しみを味わうようになるのではないでしょうか?
より自然で楽しい学び方、学びの場を工夫していきたいですね。
ゴッホとゴーギャン展での、アルルの記憶からそんな事を考えました。
類稀なる才能のふたりの展覧会
見ごたえたっぷりです。混んでますが、、
| 2017.03.16 13:10 | コクリエで学ぶこと |