「わかる」の不思議~頭の悪い子はいない!!

2016.06.09 Thu

「わかる」って、不思議なことだと思いませんか?

たとえば、おなじように学校の授業を聞いて「わかる子」と「わからない子」がいます。

それは、頭がいいかどうかによる、と簡単に考えがちですが、本当にそうでしょうか?

そもそも、その場合の「あたまがいい」ってどういう意味でしょうか?

 

こんな、一見どうでもいいように見える疑問から、コクリエメソッドは始まっています。

「わからない」「頭が悪い」の一言でそれ以上考えないようにしているけど、ほんと??

 

などと考えて、これは言葉「国語」の範疇だと考えて「コクリエ国語教室」を始めました。

 

そんな中、こんな本に出会いました。

20160609022241 (1)

実は、この本の一部が、中学受験の過去問にあり、「面白そう」と思っていました。

(というのを読み始めて思い出したのですが)

 

この本の表紙にはこうあります

われわれは、どんなときに「ああ、わかった」「わけがわからない」「腑に落ちた」などと感じるのだろうか。

(中略)脳の高次機能障害の臨床医である著者が、自身の経験を総動員してヒトの認識のメカニズムをきわめて平明に解き明かす

 

さすが頭のいい人の書く本なので、なるほど!!の連続でした。

ただし、あまりこのような分野に興味のない方には、読みにくいかもしれません。

この中から、「わかる」を定義した部分を簡単に抜粋してご紹介しますね。簡単にしたつもりですが、

もともと抽象的なものを扱うので、いまいち意味がつかみにくいかもしれません。

 

心の働きには、感情と思考があり、感情はなんとなく、で理由がありません。

思考は、事実ではなくその人の主観的事実であるいくつかの「心像」同士を組み合わせて

関係を作り上げる事。

その心像は、五感を通じたその人の経験によりつくられ、新しく入ってきた心像と、

自分の中に蓄えられている心像とを照らし合わせて、判断し、思考している。

蓄えられた心像に名前をつける事で、それが整理され意味を持ち、安定する。

わかるというのは、新しく入ってきた情報が、蓄えられた心像とマッチして、整理されるということ。

「わかる」というのは、言語体験であり、言葉の正確な意味理解である、としている。

 

これでも、噛み砕いているのですが、かなり抽象的で分かりにくいので、

ポイントの部分を少し具体的にしてみますね。

たとえば、道で見たことのない珍しい物体(イヌ)に出会ったとしましょう。

新しく入ってきた心像とは、その物体(イヌ)のイメージデータ、姿形や様子、鳴き声などです。

私たちの頭の中には、新しく出会ったその物体のイメージデータとよく似た

過去の心像データを照し合わせて、それに良く似ていたものにつけられた名前「犬」を思い出します。

細かい部分では、犬種ごとに違い、その犬は初めて見た犬種かもしれませんが

その物体は「犬」であると判断され、心像は整理され、今であったその物体が「犬だとわかった」わけです。

 

 

私たちは、毎瞬毎瞬このようなデータ処理を行っています。

ところが、もし、犬を見たことがなく、または、犬を見ていても、犬種ごとに違う

その犬が実は同じイヌという仲間であると心像データとして蓄えていなかったら?

その人は、整理されない新しい心像をひとつ増やすだけです。

 

最初に戻って、同じ授業を聞いて、わかる子とわからないこがいる件に話を戻しますと、

わかる子は、その授業で語られた情報と類似の心像をあらかじめ持っていて、情報を整理でき、

わからなかった子は、類似の情報を持っていなかったという事です。

それは、予習をしたという意味ではなく、学校の授業の場合、情報が積み重なるよう設計されているはずなので、今までの授業を覚えていなかった、又は忘れてしまったために、類似の情報、蓄積された心像がその子の中になかった、思い出せなかったという事です。

 

個別授業が必要な理由はここにあります。

その子によって、抜け落ちている情報や事情が違います。

抜け落ちている情報を見つけて、そこからやり直すことが大事なのです。

いい先生は、このことを経験的に知って、補ってくれるのです。

 

頭の悪い子はいない、教わったのに抜け落ちている部分、または何か事情があるだけ。

そこを補い、自信を持って学べることが重要だと感じています。

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| 2016.06.09 15:13 | おすすめの本, コクリエで学ぶこと, コクリエ国語教室について, 中学受験, 大学受験, 考える力をつけるには? |

尾木ママの専門家としての発言について

2016.06.06 Mon

北海道の男児置き去り事件は、無事発見という、安堵すべき結末でした。

ところが、行き過ぎた報道決めつけのような一部の方の意見が、マスコミをにぎわせており、

一時父親の虚偽ですでに・・・という意見も流れていました。

さらに、教育評論家まで・・・

ヤフーニュース

尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が5日、自身のブログを更新。

小2男児が北海道七飯町の林道で行方不明となり、3日に保護された事件について、

ブログで「置き去りそのものが真実なのか」「疑いたくなってしまいます」などと

親の説明を疑う発言を繰り返していたことに、「完全に行き過ぎ、失礼でした。

これは率直にお詫びいたします!」と謝罪した。

尾木ママのブログは更新頻度が高く、社会問題などへの反応が速い一方で、

これまでにも「行き過ぎ」た発言が多く、謝罪や発言の訂正を行っている。

これは、とても残念なニュースです

尾木ママは、とても優しいまなざしで子供たちの味方というイメージで、好きなだけに・・・

「教育評論家」として有名な尾木ママの発言は、それを受け取る人々に、

専門家の意見として、大きな影響を与えます。

 

 

多くのお子さんを見てきて言えるのは、100人いたら100通りの事情があります。

親も,数少ない親としての経験のなかで、精一杯の教育やしつけをしています。想定

自分や兄弟や、友人などからの数少ない経験に当てはまらないお子さんに、

どう接していいか困っている親御さんが多いのです。

「こうすればいい」という一般論の教育が通用する子と、逆効果になる子がいるということ。

こういう情報は、教育者であっても知らないことが多いこと。

正解はないのかもしれないということ。

 

私も「こうではないか?」という仮説はいくつもあります。

報道される少ない、加工された情報のなかでも、その断片は伺えます。

しかし、尾木先生のような影響力のある方であればこそ、慎重に

いくつかの仮説を立てたうえで発言してほしいと思いました。

子どもも親も含めて、マスコミで報道されると、多くの憶測を生み、修復不能な傷を負います。

 

「虐待である」「養育放棄である」などという、だれでも思いつくような、

専門知識のいらない、決めつけの意見は、素人にまかせて、

専門家しか気づかないような、情報を伝えてほしかったな、と。

専門家として、様々な可能性や、仮説を持つって、多くの視点から発言してほしいと。

 

大和君の場合、あまりに普通の小学2年生のこと、スケールが違いすぎます。

たくましさが並はずれています。

お父さんに怒られ、山に置き去りにされたら、恐ろしくて、

その場にうずくまるのでは?

5時間も山の中を歩いて、建物にずっと隠れて、、、

7歳の子なら、怖くて、おなかがすいて、心細くて・・・・

発見された時も、憔悴した様子は無く、普通に対応したとの報道がありました。

大人でも、この状況で助けてもらったら、平常ではいられないでしょう。

大泣きして、助かったことに感情をあらわにするのでは??かなり勝気な感じがします。

まだまだ報道される情報が少なく、想像するしかありません。

 

いずれにせよ、現場で実際にお子さんや周りの方に、今回の事件や、

普段の大和君の事を聞かない限り、一部の情報をもとに、不用意なことは言えないのです。

ひとりひとり全く違うし、この子は特に、並はずれて、個性的でたくましい子だと思います。

 

個性的なお子さんを育てる親御さんが、アドバイスを受けることが出来る

専門機関・学校の先生の専門性がもっとあるといいと思います。

大和君とご家族が、いいサポートを受けられることを祈って・・・・・

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| 2016.06.06 18:56 | 社会問題と国語 |

お母様方と新大学入試制度を語るお茶会

2016.06.03 Fri

2020年に大学入試が変わる事をご存知ですか?

今の中学2年生からが対象になります。

20160603025759

中日新聞掲載の記事です。

 

この制度変更が、かなり、革命的なのです。

テストなのに「答えがひとつでない」

記憶した正解を書くのではなく、考え方や、考えるプロセスや、今まであまり大切にしてこなかったものを、扱うテストになります。

 

「考える力」を養ううえでは、画期的で、素晴らしい改革といえるでしょう。

 

ところが、正解はないのに、入試なので、マルとバツがつきます。

その基準は?・・・・はっきりしません。

 

さあ、どうしましょう?

あと4年です。

 

新しいテストで確認される力は「思考力、判断力、表現力」だと発表されています。

 

つまりは、「国語力」

今の教科書で扱われているのとはちょっと違った、実用的な国語力が求められています。

今から家庭でできる新大学入試制度対策

お母様方にお話会をさせていただきました。

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ご希望があれば、このようなお茶会や相談会を開催いたします。

お問い合わせ下さい

 

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| 2016.06.03 15:01 | 2020年度新大学入試, コクリエ国語教室について, 考える力をつけるには? |

世界一おいしい胡椒を知ってますか?

2016.06.02 Thu

みなさんは、カンボジアと聞くとどんなイメージが浮かびますか?

貧しい国?

地雷など争いのあった国?

アンコールワットなど観光の国?

 

実はカンボジアでは世界一おいしい胡椒が取れるのです。

「クラタペッパー」は、日本料理、フランス料理などジャンルを問わず一流料理人が絶賛する薫り高い胡椒です

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という事で、クラタペッパーさんご夫婦のお話を聞いてきました。

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ご主人の倉田浩伸さんは、なんどもテレビに出ている、ドラマチックな人生を歩んだ方。

奥様の由紀さんとの出会いは、由紀さんの、絵がきっかけ。

この絵本も由紀さんオリジナルです

 

ここで、このお話会を取り上げたのには、わけがあります。

 

浩伸さんは高校時代からカンボジアに興味を持ち、NGOなどの退院としてカンボジアにわたりました。

そのおおもとになったのは・・・・小学校時代の「いじめ」

小学校時代に転校したことで、ひどいいじめにあいました。

その時におもったそうです。

「友達に頼らなくても、自分一人で何でもできる人になりたい」と。

地元中学にいきたくなくて、猛勉強をして私立中学に入っても、友達はできなかったそうです。

しかし、倉田さんは、このことをバネにして、紆余曲折ありながらも、「困っている人を助けたい」という思いをもちました。

自分が弱い立場にたったからこそ、つらい思いをしたからこそ、弱い立場の人を思う優しい気持ちになったのです。

 

学校を作るNGOに勤めましたが、子どもたちの親に仕事がなければ、学校にも通えないことに気づき、カンボジアが自立できるように産業を立ち上げようと、起業

当時、内戦が終わったばかりで、産業がことごとくつぶされていました。

様々な失敗を重ねて、あるきっかけから、昔、カンボジアではおいしいペッパー(胡椒)が生産されていたことをしり、ペッパーを再生させて、日本に販売することを考えました。

 

その後も、多くの困難を乗り越えて、今は現地の人たちに契約農家として生産してもらい、厳しい品質管理をして、日本に輸入しています。

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黒こしょうで50グラム750円

スーパーの胡椒と比べると、高いですが、一度使うと、みなさん必ずリピートされます。

とにかく香り高くて、このペッパーだけで、プロの味!!

 

倉田さんは、色々な仕事をためしては、失敗を続けます。

それでも、あきらめません。

カンボジアの経済的自立は、倉田さんの人生をかけたミッションだったからです。

 

「いじめがこの人生のきっかけ」

最低の経験を、ひっくりかえす、倉田さんの芯の強さが、クラタペッパーをうんだのです。

素晴らしいお話をありがとうございました

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クラタペッパーを使ったランチ

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次回は6月15日~名古屋三越でクラタペッパーに出会えます

| 2016.06.02 18:36 | 研修・その他活動 |

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